これ払っていいのか不安だなぁ。住宅や土地の購入は、いつ頃にどれくらい支払うのが普通なのかを知りたい。
初めての家づくりだから、言われた通りにするしかない。でもなんだか違和感を感じる。未完成な家だからお金の流れも複雑です。
実は、お金でお客様を縛りつける悪い業者が一部存在するから。
住宅や土地の購入も、お買い物です。お願いしたら支払う。この基本は変わりません。でもそこに「販売側の意図」が働くから不思議な名目の費用が登場して分かりにくくしているのです。
支払うお金の「意味」と「時期」を知って安全にすすめよう。
それぞれの支払うお金が、なぜ必要なのか。払い過ぎていないかをチェックしておけば大丈夫です。よくあるご質問は、「これ払っても大丈夫?」「現金はいつ用意するの?」などを一連の流れに合わせて解説していきますね。
この記事の目次
1新築住宅の支払いタイミング
基本は4回の分割
どこで現金を使うの?
2土地の支払いタイミング
基本は2回の分割
どこで現金を使うの?
3住宅や土地の支払い用語を知る
頭金とは
手付金とは
申込金とは
契約金とは
着工金とは
中間金とは
上棟金とは
最終金とは
決済とは
実行とは
引渡しとは
4キャンセルしたら返してくれるか
時期①:契約するまで
時期②:契約した後
5それはダメ。こんな時は怪しい
ケース①:契約していないのに
ケース②:見積依頼だけで請求される
ケース③:それ、何の申込?
ケース④:着工前に半分以上?
ケース⑤:引渡し日と実行日が違う
6まとめ
1新築住宅の支払いタイミング
新築住宅をお願いすることになったら、お金はいつ・どれくらい払うようになるのか?流れに沿って説明します。
基本は4回の分割
支払いの時期と目安の金額はこちらです。
1回目:契約する時(10〜100万円)
2回目:工事開始時(契約金額の20〜30%)
3回目:上棟した後(契約金額の30〜40%)
4回目:引渡しの時(残金)
実際のスケジュールに組み込むとこんなイメージです。
契約金額2,650万円を、現金450万円と住宅ローン2,200万円で支払うケースです。
契約金は、住宅会社に家を建ててもらう契約の意思表示と、建築確認申請などのスタート段階で必要な費用に充当されます。
着工金は、基礎工事代や構造躯体の費用などに充当されます。
中間金は、躯体の上棟(組み立て後)に外壁や内装などの費用に充当されます。
最終金は、家の完成引渡し時に残りの残代金に充当されます。
これが基本です。
どこで現金を使うの?
上述のケースだと、自己資金450万円を「契約金と着工金の一部」に支払っていました。現金をいくら入れるかによっていくつかパターンがあります。
①:現金なし
フルローン(住宅ローンで全て支払う)場合、契約金のみ現金になります。
※フルローンでも契約金として10万円程度は求められます。0円ということはありません。
②:現金は契約金だけ
現金100万円までなら、契約金のみ現金になります。
③:現金を数百万円以上
住宅ローンで支払う場合、「つなぎローン」の利用のため利息負担が発生します。この利息負担を少なくするため、一般的には現金は早めに支払う方がお得です。最終金にドーンと支払うより、着工金や中間金にドーンと支払う方がお得。詳しくはこちらの「つなぎローンの記事」をご覧ください。
それでは、土地から購入して新築する場合について解説していきます。
2土地の支払いタイミング
基本は2回の分割
支払いの時期と目安の金額はこちらです。
1回目:契約する時(10〜100万円)
2回目:土地決済時(残金)
現金一括購入の場合は、1回になります。
次に、土地と家を一緒にしたイメージをご覧ください。
土地1,000万円・建物2,650万円
現金550万円・住宅ローン3,100万円
の事例です。
土地は地主から買うので、土地の決済を先に済ませます。地主の土地の上にお客様の家は建てられませんから。土地の決済金は高額なので、ここで住宅ローンを利用するケースが多いです。
どこで現金を使うの?
上述のケースだと、自己資金550万円を「土地の手付金・建物の契約金・建物の着工金の一部」に支払っていました。現金をいくら入れるかによっていくつかのパターンがあります。
①:現金なし
フルローン(全て住宅ローンで支払う)場合でも、契約時のお金は必ず現金です。不動産業者や地主によっては「手付が10万じゃ少なくてダメだよ」と契約してくれないこともあります。詳しくは後述する「手付金」をご覧ください。
②:現金は契約金だけ
この場合は、土地の手付金50万円でもいいですか?と事前に確認をしておきましょう。不動産の世界では手付金が少ないのは基本的に嫌われます。その理由も後述する「手付金」をご覧ください。
③:現金は土地代に
土地決済が先に必要なことから、つなぎローンを組む期間が長いと利息の負担が大きくもったいないです。可能であれば土地に現金を使ってつなぎローンは建物にというのが利息を少なくするには有効です。
ここまで「基本の支払いタイミング」について解説してきました。その中でいくつか専門用語も出てきましたので、次に「支払いの専門用語」について解説します。
3住宅や土地の支払い用語を知る
同じお金でも、「何のために・いつ支払うお金なのか」で意味が大きく変わりますので一つずつご紹介します。
頭金とは
頭金(あたまきん)とは、最初に用意するお金のことです。1,000万円の土地を購入する場合、頭金100と言えば「最初に100を現金で支払い残りはローン」という意味になります。他にも自己資金といった意味合いで使われていることもあります。「頭金はどれくらいお考えですか?」という住宅会社の質問は総額4,000の内に現金をどれくらい用意できるのか?という意図の場合がほとんどです。自己資金は2,000万円の予定だが、頭金は300万で。という場合は、現金で最初の契約時に300万はすぐ支払いの用意があるけど、残りの1,700万円は株を売却してからになるので少し時間がかかる。という意味で頭金と自己資金は少し違ってくるのでご注意ください。
手付金とは
手付金(てつけきん)とは、不動産(主に土地)の購入(契約する時)に支払うお金のこと。契約金とは少し違います。
「その土地は私が買うから、このお金を払って手を付けるから売約済にして。」
というのが本当の意味です。
後日、「やっぱりこの土地はキャンセルする」という時に手付金を放棄が条件
これが土地の契約(手付契約)です。つまり土地は契約してからもキャンセルできる期間がちゃんと確保されています。不動産が高額商品であることから宅建業法上お客様の保護としてこういうルールになっています。
ここで重要なのは、「手付金はキャンセルしたら返ってこない」ことです。だから不動産屋はキャンセルが困るので少額の手付金を嫌います。手付金が5万〜10万だと、契約した後にすごくいい条件の土地が出てきたから、手付金放棄してでも新しい土地を買うことが簡単にできてしまいます。一旦契約が終わった土地は宣伝も終了させますから、不動産屋は嫌うのです。逆に購入するお客様が手付金の金額を多額にするメリットはありません。お互いの主張のバランスをとって手付金が50万〜100万になることが多いのはその理由です。
申込金とは
申込金(もうしこみきん)とは、〇〇をお願いしますという証拠に支払うお金です。申込証拠金の略です。実はここがすごく中途半端です。
例1)購入申込金
現在分譲地の造成工事中で、まだ発売できない。しかしとてもいい場所なので一番気に入った8号地を買いたい!売りたい!時に「8号地の購入申込」の手続きになります。要は他に売らないでいう意思表示ですから理解できる内容です。この申込金がきちんと土地代金の一部に充当してもらえるのかを重ねて確認しておきましょう。1万〜50万くらいが相場です。
例2)建築申込金
その住宅会社で家を建てることを申し込む手続きです。契約ではありません。ほとんどの場合「住宅会社が他社に行かせない」ための囲い込み戦略です。仮契約もこの類です。契約したら間取りが変更できない・間取りが変われば見積も変わる・こういったプランと見積のやりとりで他社に流れないように、先に申込してもらって後からゆっくり打ち合わせを、というのが本音です。1万〜100万円が相場です。
ポイントは、キャンセルしたら返金があるのか?を書面で明記してあることです。契約はまだだけど、申込をしておく。この中途半端な状態は本来不要なのです。
ただし、今月の〇〇キャンペーンを利用すればサービスが受けられます。まだ契約をしなくても申込してもらえれば権利獲得できますから。という明確なメリットがあるなら理解できますが、これも値引きの一環だったりします。同じくキャンセル時の返金処理を確認しておきましょう。
契約金とは
契約金とは、契約手続きの時に支払うお金のこと。土地や住宅のような高額商品の場合、口約束でOKとはいきませんので契約後の実費(申請費用など)発生も踏まえて10〜100万円の支払いが必要になります。住宅ローンを利用しない現金契約の場合は数百万円を求められることもあります。手付金もここに含まれます。
ポイントは、申込金と違って「キャンセルしたら返らない可能性がある」ことです。
キャンセル後の返金について契約書に記載があったりなかったり。また勢いやキャンペーンなどで強引に契約した後で、言った言わないのトラブルでキャンセル。でも契約金100万円は戻らない。よくあるケースです。契約後は測量・申請など実際に家づくりに着手したため費用が発生しているからその差額しか返せないということもあります。基本的には迷いがあるうちは、契約しないことが基本です。
着工金とは
着工金とは、工事のスタート時に支払うお金です。ここまで進んできたら住宅会社選びの返金トラブルはなくなりますが、注意するのは「払い過ぎない」ことです。建築の代金支払いは原則「出来高払い」です。出来た分だけ支払うということ。しかし発注する時点で費用もかかるので完全後払いだと住宅会社の運転資金も大変ですから、契約金額の30%前後が相場です。
この「払い過ぎない」とは、中間金まで一気に支払うことがリスクがあります。「ローンの手続きも大変だから1度で済ませましょう」と着工金・中間金合計を一気に支払う。手続きは大変でも、支払いを実行したらそこからつなぎ利息は発生します。住宅会社も資金繰り上、早く集金したい気持ちもありますのでしっかり確認してからすすめてください。
中間金とは
中間金とは、工事の真ん中あたりで支払うお金です。契約金額の30〜50%が相場です。着工金のところでも書いたように、早めに払うのはリスクがあります。支払う時期は「中間検査」合格後が理想です。
上棟金とは
上述した中間金と同じお金のことです。
最終金とは
最終金は、工事の完成時に支払うお金です。途中で発生した追加工事の金額も一緒に合計されますので、再度目を通しておきましょう。最終金の一番重要なことは、支払うタイミングです。鍵の引き渡しと住宅ローンの実行(残金支払い)と家の登記完了この3点を同時に行いましょう。引き渡しトラブルはとても危険です。
・お金を払ったのに鍵をくれない
・お金を払ったのに登記上は所有していない
・お金を払ったのに工事がまだ終わっていない
これらを回避するためにも、
完成 と 支払い は同時
これを必ず守ってください。え?銀行は土日やっていないよって?それなら平日に引渡しを受けましょう。スムーズなら問題ありませんがトラブルのニオイがする場合は、最も神経を使うタイミングです。
決済とは
決済(けっさい)とは、お金の支払いと引渡し(登記)をすることをひとまとめにした表現です。支払いを済ませるから来ている言葉ですが、支払いだけで安心せずきちんと引渡しを受けることまでを意識してください。
「土地の決済をする」とは、土地の残代金を支払って土地の名義移転を完了させることを指します。お金を払って自分の土地になる瞬間です。
決済をしたら、責任もこちらに移ります。決済後しばらくして現地に行くと、敷地内の工作物が壊れて隣地に損害を与えていた。文句を言いに行っても、「決済前には大丈夫だった。もうウチの土地じゃないし知らないよ。オタクの責任でしょ」なんて事では困りますよね。これはあくまで雰囲気をつかんでもらうための事例ですが、決済をすることの重要性は理解しておきましょう。
実行とは
実行とは、家や土地の場合「ローンの融資実行」を指します。住宅ローンを使って銀行からお金を支払うことです。実行したら毎月の返済がはじまる・つなぎローンがはじまるといったお金が動き始めます。
引渡しとは
引渡し(ひきわたし)とは、家や土地の場合「所有権移転登記完了」「鍵をもらう」を指します。自分の土地になることを土地の引渡しを受けた。自分の家になることを鍵の引渡しを受けた。と言います。くれぐれも引渡しを受けずに支払いだけ先にすることはやめましょう。リスクが大きすぎます。
次に、「キャンセル」した時の扱いについて事例を中心に解説します。
4キャンセルしたら返してくれるか
土地の契約・建物の契約それぞれについて、キャンセルがどう扱われるのかを説明していきます。
時期①:契約するまで
土地の申込:全額返金
建物の申込:全額返金
申込は契約行為ではないので、お金は手元に返ってきます。
レアケースですが、「見積を作るのに費用がかかる」「プラン提案を受けるのに費用がかかる」会社があります。自信があるのか、作業にかかる費用も実費というスタンスなのかいろんな見解がありますが、こういう場合は、あらかじめ「お金もらうけどいいですか?」と確認を取ってきますので
見積作成費:不可
プラン作成費:不可
敷地調査費:不可
となります。費用を払っただけの濃い内容だったら最高ですね。
時期②:契約した後
土地の契約:手付放棄 返金不可
建物の契約:一部返金または返金不可
建物仮契約:一部返金
契約したら基本的には、返ってきません。
契約行為はそれくらい重いのです。相手側が「まあ仕方ないか」と情状酌量の場合は返してくれることもありますが、基本的はレアだと思います。
・急に転勤が決まって
・主人が大事故に遭って
こういうケースは返ってくると思います。
大切なことは、契約の手続きの時に「キャンセル」の項目をきちんと確認しておくことです。
次に、とてもよくある質問についてケース毎に解説していきます。
5それはダメ。こんな時は怪しい
・いろんな会社を見たいだけ
・よく知らないから、言う通りにしたのに
お客様はちっとも悪くないのに、住宅会社の都合で複雑にしている事例です。
ケース①:契約していないのに
「弊社ではプランの作成に◯万円必要です」
▶︎お金を払ってでも提案を受けたい場合はOK
「今月このキャンペーンに申し込んでおく方がお得ですよ」
▶︎本命の住宅会社ならOK
ケース②:見積依頼だけで請求される
「見積作成に◯万円必要です」
▶︎すでに高額のニオイが…
「敷地を測量しないと設計できません。」
▶︎測量費用が必要な土地ならOK
▶︎測量の基準となる境界や高低差を理解しておく
「地盤調査をして改良判定を先に出したい」
▶︎別の住宅会社にこの調査データは使い回しできない
ケース③:それ、何の申込?
「ここで建築申込みをしていただくようになります」
▶︎まだ建てると決めてないならスルー
▶︎契約との違いを明確にさせておく
ケース④:着工前に半分以上?
「お手数かけるので中間金も一緒にお願いします」
▶︎払い過ぎ。資金繰り危険?倒産可能性アリ。
「先にご入金を」
▶︎カネ・カネ言いすぎるのも焦りを感じてややキケン。
ケース⑤:引渡し日と実行日が違う
「弊社の決算都合上、月内に実行させてください」
▶︎工事が大量に残される可能性大
「ローン実行後、見学会をしてからお引き渡しします」
▶︎手順が反対です。見学会終了後にローン実行引渡しです。
6まとめ
家は初めてのお買い物。未経験だから信用してお任せしたのに・・とならないためにも購入側も知識をつけておきましょう。