住宅ローンの仮審査は、急がなくてもいいんだね。

家づくりすごろく:STEP5ローン

だからシリーズvol.11

「だから仮審査をゴリ押しするんだね」

住宅ローンの審査をグイグイ進めてくることに違和感を感じたけど、これが理由だったんだ。

家を見に行ったら、すぐ仮審査の提案が出てくる。え?もう?と思いつつこれが普通なのかなと思っていたけど…。

実は、営業戦略に乗せられています。

家を買うのと家を建てるのは違います。お金の計画立案を間違えると、営業マンの言いなりで、気がつくと建売路線のようになっています。

解決は、仮審査の段階で本当に考えることを知っておくこと。

仮審査は、営業マンじゃなくても誰でも出来ます。本当は、審査云々ではなく、家づくりのお金についてきちんと整理することが大切です。具体的なよくある事例を中心に解説しますね。

分かれ道:ローンの仮審査はどうする?YES NO

この記事の目次

1仮審査の意味
2間違い①:やたらと審査する
3間違い②:足元見られる
4間違い③:仮審査の錯覚
5間違い④:上限は誰が決める?
6間違い⑤:修正申告
7正解:仮審査の使い方
8よくある質問

1仮審査の意味

住宅ローンの流れは、このようになります。

このように住宅ローンには、審査が2回あります。それが、

「仮審査」と「本審査」です。

仮審査のことを「事前審査」。本審査のことを「正式申込」とも呼びますが、内容は同じです。

では、なぜ2回あるのでしょう?

理由は、「本審査には契約書が必要」だから。

こちらをご覧ください。

仮審査では、お金を貸してもOKな人かどうか?
本審査では、お金を貸してもOKな計画かどうか?

こんなイメージです。

逆に考えてみると、

ローンも通らないのに土地を買うわけにはいかない。でも、土地の契約書がないと本審査はできない。

矛盾しますよね。だから、段階を踏んだ流れになっています。

現金で土地購入や家を建てるなら無関係ですが、住宅ローンを利用するなら、仮審査をして希望額を借りることができるかどうかの確認をする流れになります。

ここで問題があります。

それは、「仮審査」を悪用して“売れる住宅ローン“へ持ち込もうとする営業マンが多いことです。こちらをご覧ください。

※グレーの吹き出しは会話。ホワイトは心の中。
住宅展示場にて、
営業マン
ご来場ありがとうございます。
早速ご案内しますね。
お客様
はい!お願いします。
素敵ね〜〜。
一通り見学も終わり、

営業マン
では、まず最初に
住宅ローンの仮審査を
行いましょう。
お客様
え?
(早くない??)
営業マン
・住宅ローンの審査が通るのか?
・金額はいくら借りることができるか?
が分からないことには
先に進められませんから。
お客様
そう言われれば
たしかにそうだな。。
お客様
分かりました。
営業マン
それでは、
収入のわかるものや
印鑑に免許証など
必要書類をご用意ください。
営業マン
よし!
これで予算の枠を
決めてしまおう。
お客様
まだこの会社で
建てるかどうか
決めてないのに
良かったのかな・・?

家の見学に行くと、とてもよくあるやりとりです。

このように仮審査をゴリ押しする営業マンが多いのです。

なぜか?

それは、お客様のお金事情を早くつかんで契約に持ち込みたいからです。

営業マンから見て、このお客様が

・ローンを借りられるのか知りたい。
・契約を有利に進めていきたい。
・他の会社に行かせたくない。

いろんな思惑が働いて、ゴリ押ししてくるのです。

仮審査をする行為が悪いわけではありません。ただ、この段階でする必要性はありません。営業マンの都合ですから。

初めての家づくりで、何も分からないお客様であることを利用して、間違った仮審査を進めてもいいことは何もありません。ご相談や質問の多い「間違い事例」をご紹介していきますね。

2間違い①:やたらと審査する

まず、こちらをご覧ください。

営業マン:どの銀行がご希望ですか?
お客様 :どこがいいのかよく分かっていません。
営業マン:それならA銀行とB銀行とC銀行で仮審査をしましょう。
営業マン:審査結果を見て1番いい条件のところを利用しましょう。
お客様 :なるほど。

こういうやりとりが多いのです。

これは、無駄です。

仮審査は、「ローンが通るかどうか?」を見るだけですから、複数行う意味はありません。

3,800万円が希望だけど3,500万円が上限だと言われた。もう300万円多く貸してくれる銀行を探そう。。という明確な目的があるならOKですが、単純に条件比較の仮審査は無駄です。

仮審査なので、次に行う本審査の結果によっては、融資条件が変わる可能性も大いにあります。

仮審査とは言っても、お客様の個人情報の履歴にはちゃんと残ります。

A銀行3800万円
B銀行3700万円
C銀行3750万円

銀行側では、ヨソの銀行で審査した結果も筒抜けですので何もいいことはありません。何も知らない営業マンの都合で意味もなく複数仮審査を行うことは避けましょう。

結論:仮審査は1行でOK。

3間違い②:足元見られる

初めて見学に行った住宅会社で、すぐ仮審査を行う。

これも避けましょう。

仮審査には、

・収入のわかるもの
・今のローンの明細
・保険証
・免許証

が全て必要です。全て丸裸にされます。

具体的に、家づくりのパートナーとして相談する段階ならOKですが、初めて見ただけで胡散臭い雰囲気もある状況で、オープンにする情報ではありません。

・現在、自動車のローンがある
・現在、別の借入がある
・現在、転職したばかり

など、本当に住宅ローンに不安があるのであれば、直接、銀行や住宅ローンセンターに相談に行きましょう。相談先は営業マンではありません。

営業マンは、お客様が契約になるかどうか?のジャッジをしたいだけなのです。

ライフプラン相談も、無料で家の予算の相談ができるように見えて、実は保険の営業がメインです。

住宅ローンの相談なら、相談先は銀行に行くのが正解です。銀行には自分のところで借りて欲しいというメリットがあるから、住宅ローンの説明をしっかりしてくれます。

タダほど怖いものはありません。

結論:初回見学で仮審査は、やらない。

4間違い③:仮審査の錯覚

「この営業さん、いい人だし仮審査までしてくれるなんて。」

完全に営業テクニックに騙されているパターンです。

営業マンは、全力で“いい人アピール“をしてきます。契約のための仕事です。

危険なのは、仮審査をすることで「なんだかこの会社で話が進んでいく」ような雰囲気になることです。

この雰囲気になると、またゼロから別の会社を見に行くのが振り出しに戻るような気持ちになって、もういいかな。と諦めモードになってきます。

諦めモードに持ち込むために、他の住宅会社に行かせないための“いい人アピール“です。

断りにくいという日本人の性格を逆手にとった一つのテクニックですので、やはり仮審査を早い段階で進めてくるのは注意が必要です。

結論:仮審査は、“おもてなし“ではない。

5間違い④:上限は誰が決める?

マスオが早い段階での仮審査をオススメしない最大の理由は、コレです。

お客様が、年収と希望している土地エリアを伝えました。すると、すぐ仮審査の話になりました。何も知らないお客様は言う通り仮審査を実施。すると審査結果が4,300万円まで融資OKの回答です。すると、

予算の中で、土地と建物と資金計画を作ってきました。

これは注文住宅ではありません。売家の買い物です。

問題なのは、

・4,300万円について何の相談もない。
・計画に関する相談がない。

ほとんどの住宅営業がこのような進め方をしてきます。注文住宅というだけで実際は家を買う流れです。

まず、住宅ローンの借りる金額についてですが、借りられる上限と、支払える金額は違います。この検討がありません。とても危険です。

さらに、〇〇町の土地は人気だからと色々理由をつけて、土地の予算を先に決めることで一気にカタにはめられていく典型的な営業パターンです。

あれ?なんだかこのまま進んでいく感じ??と感じた時にすぐブレーキをかけないと、あっという間に土地契約の流れに持っていかれます。

そして、残った2800万円の家の予算で外構は?地盤改良は?オプションは選べるのか?などの話をやりくりするしかなくなり、我慢だらけの家づくりになるのです。

どこに問題があったのか?

それは、仮審査をすることで予算上限を営業マンにつかまれてしまったことです。

そもそも、年収と希望土地の場所だけで仮審査4300万までOKって軽いですよね。だからこそ、慎重に進めてほしいと思います。

6間違い⑤:修正申告

修正申告とは、すでに完了した確定申告の内容を「修正」することです。

住宅ローンの審査において、修正申告はNGだと思ってください。

住宅ローンの審査のために、修正申告をする目的は、「年収アップ」だからです。

今年の確定申告で、所得を320万円。ただこの所得だと住宅ローンの希望額を借りることができない。そこで修正申告をして所得を上げる。

これが住宅営業マンが提案するケースです。これをしても基本的に住宅ローンは通りません。むしろ修正した結果が残り、泥沼になります。

個人事業主の方や、複数の収入がある方が住宅ローンを利用する場合、対象になる年収は「確定申告をした所得」が対象になります。

住宅ローンの審査において、確定申告は直近の過去3年分が必要です。一年だけ所得が高くてもダメなのです。そのあたりのことを詳しくない住宅営業マンがお客様の所得に口を出すなどもってのほかです。

相談するのは、税理士です。住宅営業マンではありません。

結論:修正申告を、してはいけない。

7正解:仮審査の使い方

まずは、こちらをご覧ください。

注文住宅の相談のはずが、気がついたら建売住宅の買い方になっていますね。土地を先に決めるから、残ったお金で家を建てる話になるのです。

・仮審査で通った金額を全て借りても大丈夫?
・家の予算はどこまで含まれている?

大切なことが抜け落ちたまま、ドンドン進んでいくので不安は募るばかりです。

最初に、家族内で「支払いの可能範囲」を話し合う。

次に、見学に行った建物の金額を確認して、「希望内容」を把握する。

そして、「可能範囲」と「希望内容」を整理する。

最後に、希望金額について「仮審査」を行う。

注文住宅で家づくりを行う場合は、建物予算を中心に考えていかないと、土地に合わせた家づくりになってしまいます。

8よくある質問

住宅ローンの仮審査の段階で、特に多い質問をご紹介します。

質問1:勤続期間が短くて…

住宅ローンは、会社員なら勤続1年以上あれば対象になります。でも転職したてでも審査してもらえます。極端に言えば、転職して3日目でもOKです。

勤続一年未満の場合は、「1年間勤務した場合の想定年収」を算出して住宅ローンの審査をするので、

・勤続3日目なら、想定月収と想定年収を計算
・勤続5ヶ月なら、想定年収を計算

という流れになります。毎月の給与明細は捨てずに保管しておきましょう。

回答:短くても、住宅ローンは組める。

質問2:車のローンがまだ残っていて…

住宅ローンは、車など他のローンがあっても利用できます。ただ、借入がある人よりない人の方が、いい条件でより多くのローンを組むことができるので、

・返せるのなら一括返済を検討する。
・おまとめローンも検討する。

おまとめローンとは、家の費用+500万円までOKといった商品のことです。

住宅ローンは、担保になる家や土地にしかお金を貸してくれませんが、最近はフリー枠も用意してくれる銀行も登場しています。

上記のケースだと、

・家具や家電の買い替え
・車のローン返済用

といったフリー枠のある住宅ローンです。

全ての銀行が扱っているわけではありませんので、ご確認ください。

回答:ローンがあっても、住宅ローンは組める。

質問3:消費者金融を利用してて…

パッと借りれる便利な消費者金融のキャッシング。こちらは住宅ローンの審査になるとかなり印象が悪くなります。

キャッシングを一括返済して、カードも解約する。

つまり、もうキャッシングできない状況にする。ことで審査のスタート地点に立てると思った方がいいくらい、厳しく見られます。

理由は、パッと借りれるから。

住宅ローンは長い期間の返済ですから、途中でパッと借りる金額が増えるのをとても嫌います。また一度利用している履歴があれば、「再度利用する」可能性も否定できないため、印象が悪くなるのです。

厳しい話ですが、住宅ローンは数千万円を数十年かけて返済していくため、審査は辛口になると知っておきましょう。

回答:消費者金融の印象は、悪い。

質問4:ブラックリストについて…

ブラックリストとは、過去に返済の問題があった事実を他の金融業者にお知らせするリストです。

この人は、3年前に20万円のローン返済をサボった人。

こんな感じでサボった人だと分かれば、次にお金を貸す金融業者が困らないように見極めるためのものです。

このリストに自分が載っているのかどうか?は「個人情報開示」をすることで分かります。お金のことですから、ご本人は身に覚えがあります。正直に確認してリストに載っている場合は、履歴が消える数年を我慢しましょう。

住宅ローンの審査は、そういう意味では厳しいのです。

回答:身に覚えがある場合は、数年我慢する。

質問5:パート勤務でも組める?

組める銀行と組めない銀行があります。

Aさん:パート歴10年
Bさん:パートだけど年収200万
Cさん:週三勤務で年80万

Aさんの場合、正社員並みに長く勤務しているから、所得合算できる。と判定してもらえるケースもあります(全ての銀行とは限りません)。

Bさんの場合、税控除の範囲を超えてしっかり勤務しているから、所得として見てもらえるケースもあります(全ての銀行とは限りません)。

Cさんの場合、来年辞めちゃうかも?と考えると固定収入とは見なされないの判定になるケースもあります(全ての銀行とは限りません)。

パートの場合、正社員と違うので「ずっと働く・ずっと雇用されている」状況を考えた時に辛口の見方をされます。

基本的には、

・ずっと勤務する
・今は時短だけど、フルタイムに戻る

このようなケースでないと、やや厳しい見方をされます。

パート勤務の方だけでの住宅ローンは難しいですが、配偶者の所得合算の視点で見ると可能性はあります。

回答:銀行判断による。

質問6:審査結果の有効期限は?

基本的に、その年の年末まで。と思ってください。

理由は、年が変われば年収が変わるからです。

12月末で一年の所得が確定するため、去年の年収で4,000万円OKだったけど、今年は少し年収が下がったから再審査といった感じです。

前に通ったから、大丈夫だろう。とはいきません。

回答:年を超えたら、もう一回。

質問7:本審査で落ちることってある?

仮審査でOKだったのに、本審査でNG。こんなことあるの?

あります。

仮審査を、本審査レベルで行う銀行もあれば、仮審査はブラックリストに載っているかどうかだけレベルの銀行もあります。

あくまで貸すのは銀行です。

ネット銀行の仮審査は、要注意です。

アテにしていたのに、貸してくれない。なんて大変ですから、土地契約や建物契約が終わったら、速やかに住宅ローンの本審査を行いましょう。融資の確約を取らないと、土地代金や工事代金を支払えなくなりますから。

回答:契約したら、本審査へ。

質問8:支払中の自動車ローン残せる?

残せます。

ただし、住宅ローンで借りられる金額の上限がグンと低くなります。

残すべきか?一括返済すべきか?おまとめローンにするか?

一度、整理して検討しましょう。

回答:残して新築計画が可能かを、検討しよう。

初めての住宅ローン。分からないことも多いのでじっくり検討していきましょう。

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