よく分からない坪単価をうまく目安に使いたいけど…。
家の価格が知りたい。だから坪単価を調べたいけど、いまいち仕組みがよく分からない。予算オーバーは避けたいからうまく目安に使いたいけど誰か教えてよ〜。
原因は、坪単価を値段の根拠にするのが大間違い。
実は、坪単価には意味がありません。坪単価とは、住宅会社が自社の家を安く見せるために「作られた価格」だからです。坪単価50万円って言うから家の大きさ35坪を掛け算すると1,750万だと思っていたのに、それ以外の費用がかなりかかる見積が出てくるのはこういうことです。
坪単価ではなく総額で比較するのが正解です。
後述しますが家の価格は4つに分類されます。4つとは、本体・付帯・オプション・諸費用です。坪単価はこの本体の一部になります。一部の価格ですから意味がありません。例えば、A社の坪単価には照明代金が入っているけど、B社の坪単価には含まれていない。こんな状況では比較できませんよね。
本記事では坪単価の使い方や坪単価の誤解を基本に、よくある質問にも合わせて解説していきますね。

この記事の目次
1坪単価はホントは意味がない
・坪単価のカラクリ
2坪単価の仕組みとは?
・坪単価のルール
・坪単価の目安
・坪単価の相場
3坪単価NGトーク集
・坪単価NGトーク
・坪単価OKトーク
・総額OKトーク
4坪単価の盲点
・盲点①:比較には使わない
・盲点②:含まれる前提が異なる
・盲点③:諸費用に回るだけ
5家の価格を解説
・家の価格とは?
・総額で比較する
6坪単価のまとめ
それでは、一つずつ解説していきますね。
1坪単価はホントは意味がない
坪単価は知らなくてもOK。これが基本です。
なぜなら、前述した通り「坪単価は住宅会社が安く見せるための作られた価格」だからです。照明は家具と同じで入居者が用意するものだから家本体には含まない。と言われたらどうですか?確かにアパートは照明器具持ち込みも多いですよね。住宅の価格が分かりにくい理由は、「含まれている内容が会社によって違う」ことです。どうしても坪単価で比較したい!という方は、同条件で出してもらうことをオススメします。でも、坪単価が同条件でも、付帯工事や諸費用の内容が違えば、家の総額は分かりません。「間取りが決まらないと足場の価格が確定しないので」と言われれば付帯工事の足場価格は??になります。そもそも坪単価にこだわる必要はありません。
家は総額で考える。これがマスオの回答です。
では坪単価の考え方や誤解について一つずつ整理しましょう。「な〜んだ。じゃあ坪単価はいいや」となりますから。
坪単価のカラクリ
坪単価は2種類あります。「本体坪単価」と「総額の坪単価」です。
「本体坪単価」:家そのものだけ
「総額の坪単価」:家の価格全て含む
文字で書いてもよく分かりませんよね。ではA社の坪単価事例を見ながら解説します。

家の大きさ40坪です。A社の標準仕様での見積もりが2,500万円でした。A社で建築した場合、家の総額坪単価が62.5万円(税抜)です。今回は田んぼを埋める造成工事や今ある小屋の解体工事などが必要なので付帯工事の中に一緒に含まれていますね。あとは、オプションと諸費用だけです。どこまでこだわってオプションが必要になるのか?住宅ローンを利用する銀行によって経費がどれくらい必要か?が決まれば金額が出揃いますよね?坪単価に意識するなら、たまたま2,500万円を40坪で割っただけです。
ではこわ〜〜〜いB社の場合を見てみましょう。

恐怖①:施工面積
A社もB社も家は40坪なのに、「施工45坪」となっていますね。延べ床面積ではなく工事の対象面積(施工面積)で割り算する方が坪単価が安くなるため、施工面積という意味のないものが登場します。B社の家の価格1,800万円を延床40坪で割れば坪単価45万円ですが、1,800万円を「施工」45坪で割っているので坪単価40万円になります。安く見えています。怖い・・・。
恐怖②:家(単体)にあるべき項目が付帯工事に移動している。
「家の形によって足場の量が変わりますから」
「照明器具は持ち込みされても大丈夫です(今は含まれていない)」
「工事監理費用は家の内容により変動しますから」
あーだこーだと理由をつけて「本体価格を安く見せるため」に家(単体)には含めていません。結局本体を安くしても後から増えるので一緒なのですが、最初の坪単価が安い!インパクトのために表現を変えています。これが後々トラブルになるのです。怖い・・・。
恐怖③:付帯工事にあるべき項目が諸費用に移動している。
「家の価格の中に含めない」ことで、本体坪単価だけでなく、家の価格も安くみせています。ここまでくると諸費用の根拠も曖昧になります。設計申請費用や水道引き込み工事、地盤改良なども完全に別途扱いです。
最後の+???万円が、いかに恐ろしいか・・・。
そもそも、坪単価ってどういう使われ方だったのでしょう?

家建てる頃だな。
よし近所の腕のいい
大工さんに頼んでやるよ。

もうそんなに大きく
なったんかい。
よっしゃ。一つ
いい家を建てて
やらないとな。
それで、坪どれくらいで
考えてるんだい?

まだ若い夫婦だし、
坪50ってとこじゃないか?

あと足らない分は
おとーちゃんが
出してやるんだろ?笑
よっしゃ!任せとき。
昔の家の相談は、これでおしまいです。
え?と思いますよね。でも本当です。近所の大工さんだから入居後の面倒見も安心だし、家はプロに任せておけばいい。そういう時代です。坪50万だから家が40坪なら2,000万円。この2,000万円で建てる。と言うことが先に確定するのです。あとは不足分が100〜300万くらいをお父さんが援助といった雰囲気。先に予算を決めて、その予算内でキッチンや建材は大工さんにお任せ。図面もある程度は大工さんが考えてくれます。だから坪単価が明確な予算目安として機能しています。
その流れがあるので、住宅会社の価格の目安で坪単価を聞くと言う雰囲気がありますが、今は坪単価は「総額」ではなく、「家の本体のみ」で表現されるため分かりにくいのが実情です。少しでも坪単価を安く見せればお客様が集まりやすい!の考え方がローコストメーカーの発想です。これが今の坪単価を分かりにくくしている原因です。
結論:総額の坪単価が不明だと、目安にならない。
2坪単価の仕組みとは?
坪単価のルール
坪単価を使って比較をするなら、候補になっている住宅会社の見積もり条件を全て統一する必要があります。
・含まれているものを明確にする
・付帯工事や諸費用の項目を揃える
(例1)含まれているもの:「照明、カーテンは入っていますか?」等
(例2)含まれる項目:「確認申請費用はどこですか?」等
このあたりの項目や内容について、分かりやすくまとめた「新築予算計算シート」も販売しています。「追加工事も怖くない。3つの質問に答えるだけで最初に新築予算を計算する方法」noteサイトへ。
坪単価の目安
コンビニコーヒーなら一杯100円弱。軽自動車を新車なら200万円前後。今まで購入経験があればなんとなくの予算感を持っていますが、家は初めてですから分かりませんよね。その程度でいいから坪単価をつかんでおきたい。といったご質問に対してお答えすると、家は坪60万円〜とお考えください。すぐ生活できる状態の仕上がり価格じゃないと意味がありませんから。坪50万円以下の数字は「本体価格のみ」ですから総額算出の判断にはなりません。
さらに消費税も必要です。税込表記が浸透してきたとはいえ初めて見る複雑な家の見積書や資金計画書は、基本的に税抜の表記です。最後に消費税欄をはさんで総額という記載になります。
結論:総額の比較が一番安全。
坪単価の相場
同じコーヒーでも、コンビニなら一杯100円弱。カフェなら400円〜。でもブルーマウンテンの豆だと1,000円〜。同じような感覚で、ハウスメーカーや工務店などの会社規模による坪単価の価格が知りたい。といったご質問に対してお答えすると、ハウスメーカーは坪100万円〜ビルダーで坪70万円〜工務店で60万円〜とお考えください。工務店だから坪50万円だろうということはほとんどありません。
3坪単価NGトーク集
ここまで坪単価は使わない方がいいですの話で進めていますが、よくあるトーク事例をご紹介します。使ってはいけないトーク。それならこういう聞き方をしてほしいOKトークです。ぜひ使ってくださいね。
坪単価NGトーク
「坪単価、いくらですか?」
これは絶対に❌です。
前述している通り、その数字に意味はありません。
誠実な説明や良心的な価格設定だったとしても、検討している家が平屋の場合、二世帯の場合、家の平面形状がコの字型を希望している場合、全てに当てはまる万能の坪単価は存在しません。注文住宅ですから、プランと仕様によって価格が決まります。どうしても気に入ったからウチでも頼めるか知りたいので金額知りたい!ということなら、実物モデルハウスの総額を聞きましょう。見た建物・触れた建材・嬉しい間取りの家の総額をベースに考えるのが一番シンプルで正解の価格質問です。
坪単価OKトーク
ウチは坪単価●万円です。と説明をされた後で、
「その金額にはどこまで含まれていますか?」
この切り返しが⭕️です。
この切り返しを受けた営業マンは、
・このお客は色々見ているな。
・安い坪単価トークは効果がないな。
と思うので、足元を見られず案内をしてもらえます。
総額OKトーク
「この家、いくらですか?」
展示場では使えません。モデルハウスや見学会などリアルサイズの建物見学時に一番有効です。
「お客様の土地を見てみないと分からない」
「プランを作らないと分からない」
営業マンのトークはこう返ってきますが、そんなの注文住宅ですから当然です。
だから「見た家」の価格でいいのです。その価格が手が届くかどうかのジャッジでその会社に頼めるかどうかは判断できます。間取り作成依頼や土地調査は、頼める価格帯の会社で、なおかつ頼みたいと思えるか?の2点がクリアになって初めて進む次のステップです。
4坪単価の盲点
ここまで読み進めてこられていれば、坪単価はいらないや。とお感じだと思います。読み飛ばして「盲点」のところから読みたい方向けにまとめますね。
盲点①:比較には使わない
A社とB社の坪単価比較をしたい場合、
・同じキッチンですか?
・同じ断熱材ですか?
・同じ間取り、外観ですか?
同時条件で計算しないと比較にはなりません。
営業マンの口にした坪単価だけを比較するのは意味がありません。
営業マンの口にした坪単価だけを比較できればカンタンなんですけどね。
A社は50万と言ってた。B社は55万くらい?と言ってた。じゃあA社の方が安いのか?いいえそんなことはありません。A社にはあのキッチンが選べるけど、B社のキッチンはイマイチだったよね。キッチンの設定条件が違いますからこうなります。気に入ったキッチンはお客様の注文内容とすればいいのですから、坪単価が50か55か?このやりとり自体が無意味です。
盲点②:含まれる前提が異なる
先ほどはキッチンの話をしましたが、含まれる前提は目に見える項目だけではありません。
・足場工事はA社は本体に含まれるのに、B社は別項目で付帯工事になる。
・確認申請設計費用はA社よりB社の方が高いな。
足場は工事に必要です。総額には必ず含まれます。坪単価に入っているかどうかを考えること自体が無意味です。
確認申請費用を安い会社に合わせて下げてもらうことはできません。ご自身で申請できるなら施主支給でOKですが、手続き費用に相違があっても受け入れるしかありません。ここに悩むのもストレスが溜まるだけです。
盲点③:諸費用に回るだけ
坪単価を安く見せたい会社は、本体価格からドンドン外していきます。付帯工事や諸費用に移動させているだけなので、意味がありません。契約後に申請費用が抜けていたので別途請求なんて事もありませんから、A社B社それぞれの見積のどこに記載があるか?とアラ探しするのも大変です。
結論:坪単価の沼にハマっても疲れます。
5家の価格を解説
では、坪単価の話はここまでにして「家の価格」の話をします。
家の価格とは?
家の価格=本体+付帯+オプション
この3つの合計です。諸費用は現金で購入する方と住宅ローンを利用する方で変動します。

家の本体は、木造住宅と鉄骨住宅でも違います。断熱性能(窓など)や耐震性能(制振部品など)に太陽光などで大きく変わります。階段やドアは別途なんてことはありませんから大丈夫です。
付帯工事は、建築用地によって変わります。分譲地購入なら水道は最初から利用できますが空き地に新築の場合、道路から水道を引き込む必要があります。下水道整備されてないエリアなら浄化槽設置が必要です。建て替えなら解体工事も必要です。でも付帯工事の項目はどの会社でも同じです。建築用地が変更になれば付帯工事にも影響があります。
オプションは、お客様のこだわりで注文する内容によります。海外製の食洗機を採用したい。ガス乾燥機を採用したい。などです。
ウチの予算は3,000万円だからちょっと鉄骨住宅は予算オーバーになるかな?という判断は早い段階でできますから、本来は坪単価ではなく、「総額」で検討するのが正解です。できれば御社が気に入っているんだけど、3,000万円で建てられますか?という尋ね方の方がいいですね。
総額で比較する
本来住宅の総額が大きく開くことはありません。木造住宅と鉄骨住宅だから金額差が大きい・二階建て案と三階建て案だから金額差が大きいといった明らかに条件が違うから開きます。
そうでないなら、含まれる内容が違います。A社の提案はスキップフロアの楽しそうな間取りで2,800万円。B社の提案は大きな吹き抜けのある明るい間取りで2,650万円。など提案が違うから価格も違います。提案や内容を加味してパートナー選びとして提示された総額で比較するのが一番いいと思います。
6坪単価のまとめ
タイトルの坪単価を中心に家の価格について解説してきました。坪単価に振り回されず、各社の誠実な提案と総額で家づくりのパートナーを選んでいくのが一番いいですから、ぜひ楽しんで家づくりを進めてくださいね。
家づくりは家族の一大イベントです。皆さんが楽しんで進めていけるように気になるテーマの記事をこちらに書いていますのでご覧くださいね。