第38回:住宅ローンの収入合算にはご注意を。

第38回:住宅ローンの収入合算にはご注意を。

夫婦収入合算 住宅ローン ペアローン 親子ローン

ご夫婦がお仕事をされていて所得がある場合、

「主人一人がいいの?それとも夫婦でローン組むのがいいの?」

いわゆる収入合算の話がありますが、どっちがいいのでしょうか?

その質問に、営業マンは必ず「二人で収入合算しましょう」と答えます。

※グレーの吹き出しは会話。ホワイトは心の中。

 

営業マン
それでは資金計画の
お話に入りましょう。
ご主人はお勤めされて
いらっしゃるようですが
ご年収はどれくらいですか?
お客様
はい。だいたい400万
くらいです。
営業マン
少ないなぁ。
1馬力じゃ土地からだと
ローン足りないな。
営業マン
そうですか。
では奥様は
お仕事されてますか?
お客様
はい。会社員として
働いています。
営業マン
ヨシ!きたっ!
これなら合算で
イケる!!
営業マン
そうですか!
それならお二人合わせると
合算収入で700万以上
ありますから
予算的にはいけそうですね。
お客様
え?
いけそうって
何が??
私ローン
組みたくないなぁ。
お客様
出産などで
働けない時期も
今後あると思うので
二人でローンって
どうなんですか?
営業マン
お二人がお仕事されて
いますから
合算でローンを
組まれる方が
お得ですよ!
営業マン
いやいや一人じゃ
ウチの家の予算に
入らないし…

 

いやあ怖いですねぇ。でもホントよくある話です。

営業マンは完全に「売るモード」です。

「収入合算する方が得だ!」というアピールをこの後延々としてくるのです。

お客様は育児に専念したいから、仕事は休むかもしれないというお考えもお持ちのようなのに。

営業マンは、住宅ローンをたくさん借りられる方法をメインにしたがります。それは、

主人一人の年収400万での住宅ローン最大借入金額と、夫婦二人の収入合算年収700万以上での住宅ローン最大借入金額を計算すると、夫婦二人の方が断然多く借りることができるからです。

予算が大きい方が家の打ち合わせをスムーズに進めやすいからです。

二人でローンを組んで数年後、奥様が退職(産休)されて無収入の期間に二人で支払う予定だった大きな返済を、ご主人一馬力の年収で乗り切ることができるでしょうか?

だから、数年後に家を売るという事例が後を絶たないのです。

この場合、奥様のお考えを聞いた上で、

・一馬力での予算から建築できる範囲
・夫婦二馬力での予算が本当に無理がないのか

の2点を検討することが先決です。

結論:奥さんがずっと働く予定がないなら、主人のみで計算する。

収入合算なんて安易に考えてはいけません。営業マンの「売るモード」に乗っかってしまうと後で途中下車できませんから。

参考にこちらもどうぞ。
第15回:安い金利の提案は怖い。
第23回:返済比率35%はキケン。
第29回:ライフプランにご注意を。

第39回につづく。

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