家づくりすごろくSTEP9:完成
「だから引渡しがズレるのか」
いよいよ引っ越しと思っていたら、思わぬトラブルで引き渡しが遅れる。なんでこうなるの?
工事だから多少の日程変更はある。それは仕方がないと思っているけど、最後の段階で遅れるのは困るよ。
実は、遅れる理由は「ずさんな体質」が原因です。
キチンとした品質で家を建てるためには、スケジュール管理がとても重要です。契約前には分からない「ずさんな体質」は、いくつかの対処法があります。
解決は、遅らせないための”圧”をかければ安心です。
住宅会社の体質をお客様側で変えることは難しいですが、大切な我が家の工事をスムーズに進めてもらうためのポイントをおさえておけば、会社の規模に関わらず安心して進めていくことができます。
分かれ道:引渡しのポイントはココをチェックするYES NO
この記事の目次
1鍵の引渡しの流れ
2遅れる理由①:手配忘れ
3遅れる理由②:ミスのやりかえ
4遅れる理由③:施主検査の補修
5遅れる理由④:残工事
6遅れる理由⑤:見学会
7遅れるデメリット①:家賃
8遅れるデメリット②:つなぎ利息
1鍵の引渡しの流れ
まずは、こちらをご覧ください。

よく誤解されますが、
家の「完成」と「引渡し」は、違います。
完成 :工事が終わった状態。
引渡し:お金の支払いと鍵の受け取りを行うこと。
家が完成したから、すぐ鍵がもらえるわけではありません。完成引渡しという表現は、「引渡し」のことを指しています。
完成したら、建築確認申請通りの工事が実施されているのかをチェックする「役所検査(完了検査)」があります。
この完了検査に合格した証書(検査済証)を住宅ローンの銀行に提出しないと、お金を出してもらえません。
また、住宅ローンは土地・建物を担保に入れてお金を借りるので、登記が完了しないと、お金を出してもらえません(抵当設定)。
家の完成後に、「検査」「登記」が完了して最後のお金を銀行から借りて支払い、やっと鍵がもらえます。これでお客様の家になるので引越し入居となります。
つまり、家の引渡しの日が決まらないと、銀行手続きができません。家の工事が全て完成しないと役所の検査が受けられません。
また、引っ越せる日が決まらないと、今の借家(アパート)の解約ができません。※退去の1ヶ月以上前に連絡しないといけません。
家の契約(請負契約)書類に記載されている「工期」は、とても重要な日なのです。
この完成や引渡しが遅れるのは、お客様には大きな負担となります。
引渡しが遅れないように、チェックするには「工程表」を確認しましょう。※工程表とは、工事のスケジュール表のこと。

工事に入る前に、「工程表」をもらいます。
何を見たらいいのか分かりませんという方も多いですが、楽しみな工程(いつ屋根ができるのか?など)が大体何時ごろになるのかを見る程度でいいと思います。
大切なのは、「引渡し」が遅れない工程(工事予定)が組まれているか?
それをチェックするのは、一番最後のところです。
・きちんと引渡し日の記載があるか?
・お客様検査が引渡しの2週間前に予定されているか?
この2点です。
チェック1:工程表は必ずもらう。
そもそも、工程表をくれない会社はダメです。絶対にもらいましょう。予定も確認できないのに着工はさせない。くらいの勢いでOKです。工程表が出てこない会社は、工事予定がずさんな証拠です。
チェック2:引渡し日の記載を見る。
・契約書記載の工期と合っていますか?
・もし違っていたらその理由を納得していますか?
・記載の引渡し日がアパート退去時期です。大丈夫ですか?
家の注文ですから、完成時期が不明確なのは、工程(工事予定)の計画がずさんな証拠です。天候などでズレるかも・・なんて言い訳です。そのズレも見込んで日にちを伝えてもらいましょう。
工程表に「家の完成」の記載だけでは、ダメです。最初にお伝えしたように「完成」と「引渡し」は違います。あくまで工程表は引渡しがいつなのか?が重要です。登記やローンのことは営業サイドじゃないとわからないので・・なんて言い訳は、工事と営業の連絡がうまくできない組織の表れです。
チェック3:お客様検査の日が計画に入っているか?
オーダー品は、必ず「仕上がりの確認をお願いします」と言われます。注文住宅も同じです。お客様検査は、時期が近づいたら調整しますから・・なんて言い訳はキケンです。いつ頃にお客様に検査をしていただき補修が必要ならその期間を予定する。これが工程(工事予定)の基本です。工程表に記載がないものは、やるつもりがないと読み取っても大げさではありません。
また補修が必要な場合、その補修内容によって数時間で終わるものもあれば、数日必要な場合もあります。万一発注ミスで交換の場合は、商品の納期も関係します。最低でもお客様検査と引渡しの間は2週間確保です。
このように、「引渡し」と「お客様検査」の2点だけ見ることで
引渡しが遅れることを防ぐ
チェックができます。
それでは、具体的に「引渡しが遅れる」多いケースの状況と解決策をご紹介していきますね。
2遅れる理由①:手配忘れ
まずは、こちらをご覧ください。

引っ越しの時期を
決めたいんですが、
引渡しって
いつ頃になりそうですか?

キッチンの納期が
少し遅れているようでして
もう少ししたら
日程が確定しますので
お待ちくださいっ。

それはなぜ??

だと思います。
最近は多いですから。。

なんて言えない・・

そうなんですか。。
でもキッチンがないと
生活できないし。。
いやあ怖いですねぇ。でもホントよくある話です。
キッチンやお風呂は、「発注」が入ってから制作するので通常2ヶ月前には注文をします。半導体が関連するIHヒーターなども納期遅れになると困りますよね。だから「着工承認」のサインをしたらすぐ手配をかける流れになっている住宅会社が普通です。
そもそも、なぜすぐ手配しないのでしょうか?
理由は、「お客様からの変更を警戒している」から。
「先日のキッチンですが、やっぱり扉カラー変えたいんです。まだ間に合いますか??」
この変更連絡がもし入ったら困るので、ギリギリまで発注しないケースもあります。
ですが、本来は打ち合わせ完了時に「これで確定」とサインをしますから、この段階で変更はないのです。
つまり、本当の理由は、
「後回しに」にしているからです。
意外と思われるかもしれませんが、住宅会社は2種類に分かれます。

A社は、着工内容を一度に発注していますから納期遅れの影響は少ない。
B社は、優先順位の高いものから順番に発注しているので、ズレが生じる。
なぜ、B社は一度に手配しないのか?それは、
一度に全部だと「内容確認」の業務量が重なって大変だから。
内容確認とは、
・この内容で発注して、設置できるか?
・選び忘れは、ないのか?
・発注金額の確認
これを一つずつ行います。
キッチンの確認なら、
・換気フードの取付が、他と干渉しないか?
・取手カラーが、まだ未決定のままだった
・取手カラーが、確定して最終金額が分かる
このように、チェックすることで、
「あれ?まだ取手を選んでいないじゃないか?」
「選ぶ取手によって、価格も変わる」
これを全ての発注内容で行うのです。窓・ドア・外壁…といったイメージです。
だから一度は大変だからと、分けることで「ズレによる遅れ」が生じます。
発注業務が、設計部署・積算部署・工事部署など会社によって担当が違うため、兼任する場合は、どうしてもズレが起きます。
このズレが数日ならともかく、数週間や1ヶ月以上になると手配遅れによる納期遅れで引渡しに影響するのです。
「あ。キッチンの最終連絡。そういえばまだしてなかった・・」
こういうことが影響します。
この手配忘れ、お客様側ではどうしようもありませんよね。でもこの仕組みで手配している住宅会社の場合は、
・工程表がない
・工程表が遅い
・着工時に最終図面が出ない
このどれかが当てはまりますから、対策はこの3つです。
チェック1:工程表は、必ず着工前にもらおう。
工程表(工事のスケジュール)を必ず、地鎮祭のタイミングまでにもらいましょう。手配忘れの多い会社は、工程表がない(または遅い)ことがほとんどだからです。
「このお客さんは、工程表を出してくれって言われてる」
と”圧”をかけることが対策です。
チェック2:最終図面を、必ず着工前にもらおう。
最終図面とは、打ち合わせの最後に「この内容でお願いします」と確定した内容をまとめたものです。
打ち合わせが終わって、やれやれ。と放置してはいけません。キチンと最終内容が記載された図面や資料をまとめたもの(最終図面・製本図面)を出してもらいましょう。
❌相手に伝えているから大丈夫。
⭕️双方が最終内容を書面で持っている。
最終内容がキチンと出てこない会社もまだまだ多いので、打ち合わせ完了時点で、
チェック3:「最終図面一式は、いつ頃もらえますか?」と確認する。
これが鉄則です。
3遅れる理由②:ミスのやりかえ
建築工事には、たくさんの人が関係しますので、ミスは起きる可能性があります。こちらをご覧ください。

寝室の壁紙一つを見ても、少なくとも4回伝言するようになりますね。
ところが、こんなケースになるとどうでしょう?

原因は、木目柄の貼る方向をキチンと指示していない状態で現場まで回ってしまていることです。職人さんはおまかせ?と理解して貼ったことが、お客様のイメージと違うため、施工ミスになりました。
打ち合わせで「壁紙の品番」のみ決定して、貼る方向やバランスまで考慮していない。ことが主な原因ではありますが、それだけではありません。
打ち合わせのミスだけでなく、間に入っている各部署も気づかず「資料をそのまま横流し」していると結局間違ったまま工事完了してしますことになります。
そしてこの後、
・間違えたクロスを剥がす
・新しい壁紙を発注
・新しい壁紙の納品待ち
・再度貼る職人の調整
これだけ時間がかかり引渡しに影響します。
同様に、コンセントの位置が間違っていたら、配線から変更するため下地を破壊したり配線の延長など、かなり人手と時間がかかります。
でも、お客様に打ち合わせ段階で全てを確認しろというのは難しい話です。図面が基本と言われても初めて見る建築図面や資料ですから、なんとな〜くしか理解できない。あとは信用しているから任せたよ。というのが実際のところだと思います。
だからこそ、
チェック①:週に1回は工事現場の進捗を見に行こう。
チェック②:週に1度は写真付き報告をもらおう。
これを着工前にお願いしておきましょう。
建築は伝言ゲームです。思わぬ解釈違いでイメージと仕上がりが違うなんて残念すぎますから。
4遅れる理由③:施主検査の補修
施主検査(お客様検査)とは、工事が完成したら引き渡しの前に現地をお客様に見て確認していただく検査のことです。
見ておきたいチェックポイントは、
・傷がないか
・間違っていないか
・不具合はないか
・忘れられていないか
この4点です。
・手すりにぶつけたような傷がある。
・壁紙を貼る場所が間違っている。
・扉を開けると枠に当たる
・棚板がまだついていない
例えば、こんな感じです。
キチンとした会社なら、事前に「社内検査」として図面通りの内容で工事が完了しているか?傷はないか?といったチェックを会社として行い、補修があれば手配する流れです。
ただ、社内検査が行われていない会社もまだまだありますので、やはり仕上がりのチェックは大切です(本当は、ちゃんと施工責任として見ておけよと思いますよね)。
いくら自分の家だから、打ち合わせで自分が選んだからといっても、忘れてしまっていることもありますから、
チェック①:最初にもらった最終図面と照らし合わせる。
チェック②:一通り直接触れてみる。
これが重要です。
特に「触れてみる」は重要で、窓や開けてみる・ドアも開けてみる・鍵もかけてみる・カーテンも開閉してみる。こんな具合です。
実際に使ってみるのが一番です。
施主検査では、一緒に立ち会っている工事監督や営業担当は
基本的にニコニコして立っているだけ。です。
一緒にチェックはしてくれません。
あなたが指摘した箇所だけ、直します。のスタンスです。
だから言いにくいと遠慮する必要はありません。このタイミングで補修してもらわないと、あとは入居後のアフターです。と後回しにされ、入居後の傷がどうかわからないとうやむやにされたらおしまいです。
また、指摘箇所が結構たくさんあるようでしたら、
チェック③:再度、検査する日を決めよう。
残念ですが、箇所が多いようだと信用できません。直して!と伝えた箇所がそのままだったりしますので、再度完了しているかの検査の日も決めておきましょう。
完成直前ですが、ここは手を抜かず最後までキッチリ確認しておきましょう。
5遅れる理由④:残工事
残工事とは、まだ終わっていない工事のこと。
まずは、こちらをご覧ください。
施主検査にて、

いい感じです〜
ありがとうございます!


ここの収納の壁紙
こっちの収納と逆に
なってます。。
これって直してもらえますか?

あ。。はい。。
分かりました!
ちょっと来週末の引渡しには
間に合わないと思うので
後日また改めて
手配させてください。

あの、ここのパントリーの
可動の棚って
つきますよね??

忘れてた。
まだ手配してない・・・

モチロンです。
これもクロスの張り替えと
合わせて
でもいいですか?

あ。はぃ。。。
でも、引き渡しの
翌週にはこっちへ
引っ越すので
早めに欲しいです。
棚のないパントリーじゃあ
意味がないので。

スミマセン。。
引き渡し後、3週間が経ち、

一週間以上経つのに
全然連絡ないじゃん!!
いやあ怖いですねぇ。でもホントよくある話です。
基本的には、施主検査の時に「全工事が完了している」ことが当たり前です。
ただ、忘れていたり・やりかえ工事があると、引渡しまでの残りわずかな期間で完了させるのは大変です。入居後でもお客様の負担のない程度ならまだしも、大幅に工事がガリガリやったり、ゴミが出たりするのはたまりません。
そして、引き渡しがゴールの感覚があるため、
残工事は一気に忘れ去られがちになりやすいのも問題です。
この記事の最初の方でも説明したように、施主検査後最低2週間は確保しておかないといけないのはこの補修工事のためです。
チェック①:全工事が完了するまでは、引渡しを受けない。
これが鉄則です。引渡しをズラしてでも工事は終わらせる。これが一番安全です。入金がない以上、住宅会社も最優先で対応してくれます。
モチロン、工事未完了ために引き渡しがズレますから、それに伴う家賃やつなぎ利息負担なども合わせて対応してもらいましょう。
引き渡しがズレるとは、これくらい重いことなのです。
これくらいの姿勢で臨むことで、住宅会社も「まあゆっくり対処すればいいや」の甘えに”圧”をかけることができます。
引渡しは、最後の砦です。
安易に、残工事に回してはいけません。残工事は、あってはならないことだと知っておきましょう。
6遅れる理由⑤:見学会
素敵な家が完成したら、住宅会社も「完成見学会」をさせて欲しいとお願いしてくる場合もあります。見学会が開催になる場合、どうなるのでしょうか?

A社の場合は、見学会開催後に引渡しです。
B社の場合は、引渡し後に見学会開催です。
引渡しの時に、最終金を支払いますから、登記も完了するため家はお客様名義になります。したがって住宅ローンが開始します。
つまり、B社の場合だと、家賃と最初のローン支払いが重なることになります。お金の流れをキチンと確認しておきましょう。
また、お客様の家になった後の見学会ですから、万一の傷補修や再美装を行ってくれるのか?を要確認しておきましょう。
見学会は週末の2日間とは限りません。平日も含めて1週間・2週間・1ヶ月貸してほしいなんて住宅会社がおねだりしてくることもありますので、よくよく確認しましょう。
さらに、見学会開催の時には次のことにも注意しましょう。
・ちゃんと再美装してくれるのか?
・先に家電品や家具を入れてもいいのか?
見学会は、手袋・スリッパ着用してくれますが、やはり窓ガラスに汚れ・床に埃といったケースはありますので、営業マンが掃除機をかける程度ではなくキチンと「美装工事」を再度お願いしておきましょう。
見学会では、お客様の家具や家電品は「持ち込まない」ことをオススメします。万一のリスクがありますから、引渡し後に届くように納品タイミングを事前に調整しておきましょう。
結論:見学会は、引き渡しの前に開催する方がベスト。
マスオは、見学会をするなら「引き渡し前の開催」を強くオススメします。
当然見学会開催分だけ、引っ越しが遅れますので今のアパートの退去タイミングも合わせて確認しましょう。
7遅れるデメリット①:家賃
まずは、こちらをご覧ください。

引渡し直前のお金の流れをまとめています。
このケースの場合だと、
・家賃9月分がもったいないので、日割り計算にしてもらえたらラッキー。
・家賃日割り計算NGなら、引っ越しを8/24にできたらラッキー。
・8月末は、ローンと家賃が重なるので注意する。
この3つがポイントです。
一番お金が必要なタイミングなので、ちょっとでも安く抑えられたらいいですね。
さて、この基本形で進めばいいのですが、もし引き渡しが遅れたらどうなるでしょうか?



引っ越し完了後に工事をしてもらう。
入居を遅らせて工事を完了させる。
今回のように、9月分まで借りる場合なら「家なし」状態は回避できますが、退去後に次の借りる人が決まっていたら・・。「家なし」状態になります。
どちらにしても、負担は大きいため、直前でのミス発覚は絶対に避けたいですよね。
やはり現地の進捗確認は、大切なのです。
8遅れるデメリット②:つなぎ
先ほどのケースに、住宅ローンのつなぎ利息負担も重ねてみるとこのようになります。

この基本形で進めばいいのですが、もし引き渡しが遅れたらどうなるでしょうか?


残工事を避けるために、引渡しを延ばす場合はこのようになります。
・つなぎ利息の負担が、増える。
・アパート家賃の負担が、増える。
・ローン再契約の印紙代などが、増える。
お金も手間も負担が大きく大変です。
ここまで、家づくりの引き渡し直前トラブルの多い事例をご紹介してきました。
このようにならないためにも、住宅会社の体制に任せすぎないためにも、
・最終図面をもらう。
・工程表をもらう。
・週1の写真付き進捗報告をもらう。
このポイントはとても大切です。必ずおさえておきましょう。
