近隣相場より価格が安い土地だけど、これって買ってもいいのかな?

家づくりすごろく:STEP3土地探し

だからシリーズvol.6:

「だから、この土地は安いんだね」

近隣相場より価格が安い土地だけど、これって買ってもいいのかな?トラブルにならない?

家にお金をかけたいから、できるだけ土地代を安く抑えたい。だから価格の安い土地情報は気になっちゃう。でもこれって買っても大丈夫かな?

実は、安い理由が必ずあります。

買う人は安く買いたい。売る人は高く売りたい。だから土地が安いのには、必ず理由があります。土地のマイナス要因を価格で補って、早く売りたいからです。

解決は、家づくりに影響がないのか判断する「基準」を知っておく。

”それは、たいして気にならないな。う〜ん。これはちょっと嫌だなぁ。” 結局のところ、家を建てる上で○か×かをジャッジできる「基準」で判断すれば安心です。

分かれ道:この土地は買ってもいいの?YES NO

それぞれ具体的なよくあるシーンごとに、仕組みと解決をご紹介していきます。

この記事の目次

1土地の価格はどうやって決まるの?
 近隣相場とは?
2近隣相場より安い理由
 主な安い理由とは?
3それぞれの事例と判断方法
 判断方法
 事例1:事故物件
 事例2:近隣問題
 事例3:ゴミ置き場
 事例4:電柱区画
 事例5:お墓
 事例6:計画道路
 事例7:造成費割高
 事例8:水問題
 事例9:建築不可
 事例10:ヤクザ
4正解はコレ

1土地の相場はどうやって決まるの?

土地の価格ってそもそも、どうやって決まるんだろう?

素朴な疑問ですが、気になりますよね。

基本的には、「近所で売られている価格を目安に決まる」が答えです。

〇〇ホームが、坪単価30万円で売っているから、そこより高くしたら売れ残るかもしれない。〇〇ホームは坪30万円で広さが45坪だから1,350万円。こちらは広さが50坪あるから坪30万円なら1,500万円。こっちの方が広いけど、土地代金の差が150万円もあると「高いイメージ」がつくから、坪29万円の広さ50坪で1,450万円なら早く売れるだろう。本当はもっと高くして儲けたいけど、売れ残ると困るから、よし、坪単価29万円にしよう。

土地の価格はこんな感じで決まります。

他にもいろんな事情がありますが、土地代金の価格決定の考え方はこれが基本です。どこも同じような価格になるから、「相場」として定着するのです。

そして時代の流れとともに、価格は上がったり下がったりもします。

10年前は坪単価40万円だったのに、安くなったなぁ。。とか、

昔は坪単価20万円だったのに、家もたくさん建ってきたから最近は坪30万円に上がったんだなぁ。。といった変化もあります。

土地が売れて、家がどんどん増えているエリアなら、人気があるので値段は上がりますし、土地がここにもあそこにもあって結構残ってる場合は、売れないから価格を下げるので、値段は段々下がります。

株と一緒ですね。

つまり、

相場より安い時に、要チェックする。と覚えよう。

2近隣相場より安い理由

つまり、条件が一緒なら価格も同じ。が基本になるので、

同じ広さ・同じ立地条件なら、

・南向き
・角地
・道路が広い
・土地の形がいい
・小学校が近い
・スーパーが近い

などの個別条件によって値段差がつくのが通常です。

ところが、逆に「安すぎる」土地もあります。

不思議なもので、土地が安い方がいいと思っていても、「安すぎる」と不安になりますよね。でもこの不安が不動産購入の時は、とても役に立ちます。

高く売りたいのに、高くできないから安いのです。

安さには必ず「理由」があります。

この「理由」は、土地の場合大きく10種類に分かれます。

その10種類とは、
・事故物件
・近隣トラブル物件
・ゴミ置き場物件
・電柱物件
・お墓物件
・計画道路物件
・高額造成物件
・水問題物件
・建築不可物件
・ヤクザ物件

です。一つずつその特徴と、買ってもいいのか?判断方法をご紹介します。

3それぞれの事例と判断方法

判断方法

家を建てて住むために土地を購入するわけですから、判断基準は2つです。

「住みたいか?」
「費用は予算内か?」

例えば、ゴミ置き場が横にあるけど、土地の広さが80坪あるから新築する家との距離も確保できそうだ。臭いは気にならないと思うな。それに、ゴミBOXも整備されてドアも屋根もあるから、カラスがゴミ袋を食い散らかす心配もないから、我が家はこの土地でも気にならないね。そうすると、ゴミ置き場がない区画より土地価格も100万円安いから建築費用の総額も助かるね。

この判断ができるなら、買ってもOKです。

この判断をするために、必要な状況把握をするポイントを各事例ごとに紹介しますね。

事例1:事故物件

事故物件とは、火事・自殺などの事件があった土地のことをいいます。

業界用語では、心理的瑕疵(しんりてきかし)といいます。

ここで難しいのが、「事故物件に該当するか?」の判断が個人の受け取り方によって違うため、明確な定義がないことです。

人が死んだからといって、事故物件と言えないのは、

A:会社が倒産して、自宅で自殺を図った
B:一人暮らしのおじいちゃんが、老衰で自宅で亡くなっていた

Aの場合、イメージは決して良くないので事故物件として理解できますが、

Bの場合、受け取り方が違ってきませんか?

もちろんAもBも告知義務として、こういう理由で人が亡くなったことがありました。と伝えないといけませんが、理由によっては納得できるケースもあります。

さらに、200坪の敷地に建っていた母屋ではなく離れが火事になって人が亡くなった。この離れが建っていたところは、駐車場として利用する程度にして、建築するのは離れがなかった場所。という場合はどうでしょう?

これも200坪あるなら、母屋側の100坪くらいを利用するならアリと考えるケースもあります。

同じような例だと、病院の跡地。もあります。

病院の跡地を嫌うケースもありますが、病院も解体して、地業からしっかり造成した新しい分譲地になれば、売れていきます。

事故物件は、「気になる」なら見送りましょう。それが一番です。ただ、そんなに気にならない場合は、十分検討できます。

事故物件は大体、格安です。

気にならないケースなら、土地を安く手に入れることができます。

事故物件の土地は買ってもいいのか?

答え:気にならないなら、買ってもいい。

人気エリアで破格の土地が出たときは、
こちらも参考にどうぞ。
家ブログ第46回:事故物件には要注意。

心理的瑕疵(しんりてきかし)の具体的な事例は、
こちらも参考にどうぞ。
家ブログ第885回 土地の不思議30。

事例2:近隣問題

近隣問題とは、ご近所さんと「何か」ある場合です。

例1)隣の柿の木の枝が伸びている。枝を切る話を持っていくと、枝は切ってもいいけどそのせいで木そのものに何かあったら責任取れるのか?というおじさんが住んでいる。

例2)空き家を購入して解体後に新築を考えているが、空き家の壁が隣と共有しているため壁を壊すと隣の家の壁を、補修する必要がある。隣の家も築年数が古そうで話が難航しそう。

例3)隣がラーメン屋さん。厨房からの排気口が真っ黒で、新築した時に外壁が油汚れで大変なことになるか心配。夜遅くまで営業しているので駐車場がにぎやかで気になるかもしれない。

3つの例を挙げましたが、どれもある話です。

実は、近隣問題は「隣人」がポイントです。

A:隣に新しい人が来るなら、ウチが迷惑かけているのをなんとかしないといけないな。

B:隣に新しい人が来ても、ウチが遠慮するのは筋違いだ。

Aのように考えてくれる隣人なら、仲良くやっていけそうです。

Bのように考える隣人なら、折り合いをつけるのは難しそうです。

無人島にポツンと家を建てるわけではありませんから、隣人との最低限の付き合いは必要です。だからこそ、「Aのような考え方」の隣人かどうかを見極めましょう。

Aのような隣人なら、不動産屋も前向きに対応しやすいですが、Bのような隣人だと距離をとります。

こういう情報は不動産情報(価格や広さや場所など)には記載されませんから、

「この土地の周囲はどんな感じですか?」と必ず聞くことが必要です。

その上で、付き合っていけそうな隣人かを判断しましょう。

近隣問題の土地は買ってもいいのか?

答え:ます、周囲に問題がないかを必ず確認する。その上で、隣人が変じゃないかで判断する。

隣の枝が伸びて切ってもいいのか悩む土地は、
こちらも参考にどうぞ。
家ブログ第873回 土地の不思議28。

隣人が少し難しそうな雰囲気の土地は、
こちらも参考にどうぞ。
家ブログ第823回:土地の不思議18。

隣が空き家で不安が残る土地は、
こちらも参考にどうぞ。
家ブログ第546回:この土地どうですか?④

事例3:ゴミ置き場

生活する以上、ゴミは出ます。みんなで暮らしている以上、ゴミを集める場所が必要です。だからゴミ置き場横の区画も必ず存在します。

ゴミ置き場が近いから、出すのが楽。と前向きに考えられるなら買っても問題ありません。

ゴミ置き場は臭そうだから、嫌だなと感じる方は見送りましょう。ゴミ置き場を移動してもらうことは、ほぼ不可能です。移転先がウチの前でもいいよ。と言うことはまずありません。

ゴミ置き場がきちんと屋根とドアのある設備なら、また印象も違いますが、

ゴミ置き場のことばかり気になってしまうようなら、見送る方が賢明です。

ゴミ置き場の土地は買ってもいいのか?

答え:気になるなら、見送る。

分譲地のゴミ置き場事例は
こちらも参考にどうぞ。
家ブログ第542回 この土地どうですか?③。

事例4:電柱区画

土地の中に「電柱」や「電柱の支線」がある場合が該当します。

分譲地の場合は、土地のすみっこに立つことがほとんどですが、え?これ邪魔だよね〜という場所にあるケースもあります。

ゴミ置き場と同様に、電柱が移動することもほとんどありません。移動できるのは、土地のすみっこに寄せる時です。もともと立っていた家の邪魔にならないところで電柱を立てたが、今回新しい家の計画の出入りに邪魔だから少し寄せたい。この場合は、電力会社と協議してOKの場合もあります。ただし電柱が敷地の中にある場合は費用負担があります。道路の中にある電柱なら無償でOKですから確認しましょう。

電柱も必ず必要だから、電柱が横に立つ区画も存在します。

新しい家の計画段階で「邪魔になる」ようなら、見送りましょう。

電力会社も計画図面を提出しないと対応してくれませんから。

電柱区画の土地は買ってもいいのか?

答え:家の計画をして邪魔にならないなら、買ってもOK

建築予定地の前の道路に電柱があるときは、
こちらも参考にどうぞ。
家ブログ第811回 電柱って移動できるの?①

実家の建て替えや古家購入の場合は、
こちらも参考にどうぞ。
家ブログ第816回 電柱って移動できるの?②

突然、嬉しい連絡が来たけど迷うときは、
こちらも参考にどうぞ。
すごろく:だから建築条件が外れたのか?

事例5:お墓

お墓が隣にある土地のことです。

お墓が隣にある・お墓が向かいにある場合が該当しますが、お墓があることで困ることはありません。

お墓は、「気になる」かどうかだけです。

お墓のある土地は、ずっとそのままです。家やマンションが建つこともありません。南側にお墓があるなら、日当たりは保証されます。

そしてお墓があることは、不動産情報には記載されません。現地に行って初めて分かることです。不動産屋も、お墓があって困ることはない。というスタンスですから、堂々としています。

お墓が、新しい家の計画に影響もしません。

そして、お墓があることで格安になることも、ほぼありません。

お墓の土地は買ってもいいのか?

答え:気にせず買ってもOK

事例6:計画道路

このエリアには、広い道路を作る計画がある。計画道路とはこういうケースです。

県がつくる道路なのか、市がつくる道路なのかは別にして、計画道路は2種類あります。

・計画中の道路
・事業決定した道路

計画中とは、自治体(市や県など)がこういう道路をつくりたい。という状態を指します。もしかしたら道路にはならないかもしれません。

事業決定とは、具体的に道路になることが決まった状態です。道路になる土地は立ち退きの話がスタートします。土地の一部が新しい道路になる場合は、土地が減ります(もちろん買い取ってくれますが・)。

買おうとしている土地が計画道路の中に入らなくても、近くに計画道路がくる場合もあります。

家を建てるために買った土地なのに、すぐ前に大きな道路が来るかもしれない。これは生活環境かガラリと変わるので知りたいですよね。

道路が来るから便利という考え方もあれば、道路が来るからうるさくて困るという考え方もあります。

計画道路のことを、不動産情報に記載がない場合があります(困った話ですが)。

だから、

大きな道路が、将来くる話はないですか?」

と必ず確認をしましょう。

道路の計画がある場合は、必ず自治体が青図面(こんな予定で考えているという内容)を持っていますから、閲覧することはできます。計画の内容を知って、住むエリアとしての判断をしましょう。

計画道路の土地は買ってもいいのか?

答え:計画道路で便利になると判断できるなら買ってもOK

バイバスの話が出ていて不安な土地は、
こちらも参考にどうぞ。
家ブログ第539回 この土地どうですか?②。

事例7:造成費割高

例えば、○町60坪で探していたら、

・A:1,000万円 55坪
・B:1,100万円 60坪
・C:700万円  65坪

さてどれを選びますか?

みんな、Cが気になる。。。と思いますよね。

そりゃそうです。

では、なぜ広くて安いCがまだ売れてないのでしょうか?

それは、「家を建てるために別途工事が必要」だからです。

これが今回の事例7の造成関連に該当します。

例えば、
・道路より敷地が低いため、入口スロープまたは地上げが必要
・道路より敷地が高いため、擁壁が必要
・田んぼなので四方に擁壁と水路などの橋が必要
・敷地に高低差があり対策が必要
・土砂災害エリアのため許認可対策が必要
・許認可申請のハードルが高い

つまり土地代金は700万円だが、家を建てて生活するためには別途造成関連工事が高くつく。ということで売れ残っているのです。

検討するためには、

「土地代金」+「???万円」

この???を算出して、総額検討できるなら買ってもOKです。

この???を安くするために、
・造成費
・建築費

の両面で検討することもあります。どんな家の計画にするか?によって造成費が高くなることもあれば、建築計画によっては造成費が安くなることもあります。

この場所でこの広さを探していたから、なんとか実現できないか?
この場所のロケーションが気に入ったから、なんとか実現できないか?

のような相談になるケースが多いのが、この事例7です。一緒に家づくりをするパートナー設計者の腕にもかかるところですね。

造成日割高の土地は、見積期間などで時間が必要です。急いで買わないように。

造成費割高の土地は買ってもいいのか?

答え:造成費と計画の内容を見て、判断する。

土砂災害の防災エリアで不安な土地は、
こちらも参考にどうぞ。
家ブログ第623回 ハザードマップが気になります②。

事例8:水問題

水問題とは、
・飲み水の水道が、ない。
・生活に必要な排水先が、ない。
・過去に浸水した。

この三つです。

上水・排水・浸水の3つです。

上水の問題は、

①敷地の近くまで水道が通っているけど、
 敷地の中まで水道管を引き込む費用が
 個人負担になる。
②利用予定の水道管は近隣の家々が
 お金を出し合って設置した私水共同
 ため、遠慮がある。
井戸利用のため、水道管が近くにない。

この3点です。

①は、お金が出せるか?の問題ですが、

②は、そもそも利用できない場合もあります。今は4件で使っているけど、おたくが入ると5件だから水圧が弱くなるのも不安だなぁなんて言われると一緒遠慮しないといけません。だから後者の場合は、できれば共同利用に便乗するには避けたいところです。

レアですが、③は、水道を使っていないエリアなので井戸を新設する費用が必要です。また井戸水でエコキュートなどの機器を使うためメーカー保証が受けられない問題もあります。

排水の問題は、

①浄化槽の排水を溝につなぐことに
 近隣が許可してくれない。
②雨水の排水先が、民地のため
 許可をくれない。

生活していく上で、水を流す(捨てる)排水は必要です。

しかし排水ルートの先の人が、NGを出すともうお手上げになります。

下水道が通っていなければ、生活排水は浄化槽でキレイにしてから溝や川に流します。この溝や川が汚れるのを嫌う住民の方がいるとなかなか対応が大変になります。

また下水道が通っていて、生活排水はOKでも、雨の水を流すルートが確保できない場合もあります。雨の量はお天気次第なので、調整できません。だから下水道には流せません。水下にお住まいの方が、大雨の時に、人の敷地からの雨水まで流れてくるのを嫌うケースもあります。

水問題は、一生続きます。その場の値引き云々レベルではありません。

水問題の土地は買ってもいいのか?

答え:買ってはいけない。

河川浸水や氾濫など豪雨のエリアで不安な土地は、
こちらも参考にどうぞ。
家ブログ第617回 ハザードマップが気になります①。

事例9:建築不可

これは論外。と思いがちですが、ネットで土地情報を探していると、なかなか分かりにくいものです。

末尾の物件概要欄に、ちょろっと

「再建築不可」「建築不可」「資材置き場として可能」

といった一行が入っていますので、見落とさないようにしましょう。

建築のできない土地を買う意味はありません。

自治体との協議が必要・都市計画法の〜〜など注釈が入っている場合も要注意です。

建築問題の土地は買ってもいいのか?

答え:買ってはいけない。

そもそも家が建つのかアヤシイ土地は、
こちらも参考にどうぞ
家ブログ第763回 土地の不思議⑥。

事例10:ヤクザ

不動産情報に、「隣はヤクザが住んでいます」とは書いてありません。だから最初分からないのが怖いところです。

隣・向かい・裏、といった隣地だけでなく、すぐ近くにヤクザの事務所があっても不安ですよね。

この場合は、地図を見る・近所を歩いてみることで初めて見つけることができます。

「〇〇組」と看板があることは少ないですが、建物の雰囲気でわかります。

・明らかに高い壁で囲まれていて、中が見えない。
・やたら防犯カメラが、ついている。
・怖そうな高級車が、ズラリ。

ちなみに、ご近所に住まれている方は、意外と普通だったりします。任侠映画のようにヤクザがワイワイすることで生活に支障ができることはほとんどありません。礼節を持って接していれば日常生活に問題はありません。

ただ、工事中は非常に大変です。住宅会社によっては工事をできないと断るケースもあります。

ヤクザ近隣の土地は買ってもいいのか?

答え:どうしても欲しい土地でないなら見送る。

4正解はコレ

ここまで事例で紹介してきましたが、判断は「住みたいか?」「お金は支払えるか?」この2つです。家はリフォームできますが、土地は変えられません。家族とずっと暮らしていく場所ですから、あれれ?と思ったら慌てず、しっかり考えていきましょう。